本日もご訪問ありがとうございます。

先日珍しい症状の方がお見えになりました。

腓骨神経麻痺です。
腓骨神経とは下肢の外側を通る神経で、足首や足の指をそらせる動きをする筋肉に作用します。
その神経がマヒしますので、つま先や足首が歩く時にも持ち上がらなくなり歩行に困難をきたします。また下肢の外側の知覚を司るので、感覚異常やしびれ感が起こることもあります。

患者様はもちろん整形外科に受診しましたが、投薬以外に何か積極的な治療はないかということで鍼治療に白羽の矢を立てていただけたようです。

発症後まだ数日しかたたない時点でご来院いただけたこともあり経過は順調で、通院後1か月ほどで運動機能は8割ほど改善し、２か月現在でいくらかの知覚の鈍麻を残すのみとなりました。

鍼灸院には顔面マヒの方はよく受診されると聞きますし、当院でも年間１～２人ほどはいらっしゃいます。ただ、鍼治療に限らないと思いますが、発症から早い時点で治療に携われた方のほうが改善の確率は高いようです。

神経麻痺というのは、体の一部が動かなくなるという強いストレスを伴う症状ですので不安や恐れを当初抱く方も多いと思います。病院を受診後、何かほかに手立てはないかと思ったときに、鍼灸治療が二つ目の選択肢としてあることを頭にとどめていただければ幸いです。